光を当ててくれる人

 高校の頃、同級生と雑談していた。私が何気なくこぼした弱気な一言に対し、彼女は「そんな事ないよ。〇〇ちゃんなら(私)なら出来るよ」ってさらっと即答した。当たり前すぎる事実みたいに。そんなに真っ直ぐ信じてくれる人がいるんだ、と一瞬驚いたが、とても心が温かく軽くなったのを覚えている。些細だけど印象深くて忘れられない出来事だ。

 

 上記の話は、あるサイトでジョン・コルトレーンとセロニアス・モンクのエピソード(登場人物が狂人だらけで、ジャズを全然知らない私でも楽しめた)を読んでいて、ふと思い出した。

 

 モンクは自信喪失しているコルトレーンにこんな言葉をかけたといいます。

コルトレーン、お前は素晴らしいサックス奏者だ。

そんな扱いを受けるような奴じゃないんだぞ。

いつでも俺のバンドに来てプレイすればいいんだ。」

 

(上記のリンク先から引用) 

 

 人を心から信頼する態度というのは、相手にとても力を与えるものだと思う。

 

 自分もそんな風になりたいけどなかなか難しい。他人のだらしなさや無責任さや傲慢さ…そういう部分が目に入ると、不安からつい疑いの心が生まれてしまう。この人ちゃんと仕事してくれるかな?とかね。で、そういう目で見ていると大抵その通りになる。自分が見出した部分を相手は見せてくるようになってるみたいだ。不思議だけど。

 

 だからこそ、人のいい部分に光を当ててられる人はすごいと思う。人の可能性や善の部分に目を向け、内側にあるであろう強さを信頼してくれる人。簡単なことじゃない。そういう人は全く意図せず周り人の力を引き出してしまうものだな、と。自分と他人の可能性を簡単に見くびるもんじゃない。そんなことを思う今日この頃です。

 

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