掌の上

今週のお題「芋」

 

「芋っぽい」という言葉で人が思い浮かべるのは何芋だろう。

 

そんなの考えたことない?

私も今日初めて考えたところ。

 

サツマイモ、じゃがいも、里芋、長芋、こんにゃく芋タロイモ... 

色んな芋があるけれど、あえて思い浮かべるなら

おそらくサツマイモかじゃがいもなのではないだろうか。

タロイモこんにゃく芋がかっこ良かったらどうしようと

念のため画像を確認したら、どの芋にも共通する素朴な雰囲気があり安心した。

 

芋っぽい。芋くさい。

 

田舎っぽかったり、垢抜けなかったり

いまいちパッと目を引くところがない人がそう評される。

不思議と自分のことはさて置いて、他人に使われがちな言葉だ。

 

自分アホなんで、ダサいんで、チビなんで、デブなんで…と

自虐をする人はいても「自分芋っぽいんで」と言う人はそう見かけない。

日本人は芋という存在をどこか下に見ているような気がする。

 

でも残念なことに私たちは完全に芋に負けている。

芋を見下しておきながら、美味しい美味しい!と相当な量の芋を食べているのだ。

どれだけ腐しても、その圧倒的な人気はゆるがない。

 

芋の料理はどれだけあるだろう?ポテチの種類は増えるばかりだ。

里芋の煮物は定番。とろろ蕎麦がないなんて考えられない。

焼き芋なんてほかほか食べられるよう機械の中でスタンバイした状態で売られている。

芋を美味しく食べるための努力をいとわない。どれだけ芋に執着しているんだろう。

 

癖がないから何度食べても飽きないし

色んなレシピに対応できる柔軟さと懐の広さ。

見た目に華はないけど、素材そのものがいいのだ。

 

あまりにも身近で特別感がないため雑に扱いがちだが

実は知らない間に芋の掌の上で転がされている私たち。

芋っぽいという言葉は、表面だけで人を判断した言葉であり

中身の魅力にまだ気づいてないと言える。

 

真正の魔性は芋なのかもしれない。