香ばしい朝

6分前にスタートしたはずのタイマーが、いつの間にか気絶していた。

 

慌てて火を止める。

 

「このタイミングで力尽きなくても…」

 

電池が切れる瞬間はこういうものかもしれない。

本人はまだ頑張れるつもりでも、急にパタッと動けなくなる。

 

うちには炊飯器がない。鍋でご飯を炊くようになって久しい。

1~2人分なら鍋でこと足りるし、美味しい。

今のところ保温も予約機能も必要ないので、特に不便はない。

洗いやすい点も好きである。

 

それで、今朝もご飯を炊いていたのだが…。

 

(焦げたかな?)

 

恐る恐る蓋を開け、さっくり混ぜて保存容器に移す。

少しおこげが出来た程度だ。あー、よかった。

 

空にしたお鍋にはご飯がこびりついていた。

でも、私は喜んでいた。

 

「これでおかいさんが作れる!」

 

”おかいさん”とは茶粥のことである。1人前食堂で知った。


www.youtube.com

(こちらの動画の冒頭に出てきます)

 

鍋で炊飯を始めたころ、いつもご飯がこびりついた。

 

鍋をしばらく水に浸け、ふやかして洗った。排水溝に溜まる残飯。

米粒が勿体なくて、炊き方を試行錯誤した。

今はご飯をきれいにさらえる炊き方を採用しているが、

お米がこびりつく炊き方の方が美味しかったりするので

少し悩ましいところであった。

 

そして、先ほどの動画と出会った。

お米が引っついた鍋に水を入れ、お粥を作るのだ。

「この発想はなかった!」と目から鱗。心の底から感謝した。

もうご飯がこびりついても大丈夫。お粥を作るいい機会になるだけだ。

 

そんな訳で、今朝嬉々として作った初めてのおかいさん。

香ばしい風味がした。それがほうじ茶のお陰なのか、

おこげの苦みなのかは、正直微妙なラインであった。

(思った以上に焦げてた?)

 

またお米が底にくっついたら、また茶粥に挑戦したいと思う。

 

次回は焦がさないように、タイマーの電池を買いに行かないとな。