料理

 料理が好きかと聞かれたら、一言で答えられない。おいしく出来た時はうれしい。心も体も満足する。でも、大したものは作れない上、苦手意識がとても強い。しかし、もし誰かに「代わりに美味しいご飯を作るから、もう二度と料理しなくていいよ」と言われたら…それはそれで寂しいと思う。料理への思いはちょっぴり複雑だ。

 

 結婚生活で辛かったことの一つは、毎日の料理だった。"ちゃんとしたものを作らないと"というプレッシャーが強く、義務として作る料理は本当に苦行でしかなかった。たった2人分のご飯でひーひーなってた。家族のために料理を作るみなさん、今日もお疲れ様です!と心の底から思う。

 

 そもそも料理への苦手意識が大きい。これは育った環境に由来すると思う。母の料理が気に入らなければ怒ったり文句をつけていた父親。「いつも似たような料理ばっかり。もっと工夫しろ!」と言ったかと思えば、いつもと違うカレーが出てきたら「余計なアレンジをするな!」と怒ったり。理不尽の極みみたいなじじいである(口が悪くて失礼)料理を一切しない人のこういう傲慢さって、本当にやーね。来世は大昔のスパルタみたいなご飯がまずい地域と時代に生まれてしまえ...と心の中で父を呪ってしまう。

 

 美味しいものを作れないと罰せられる。そんな刷り込みがあるのかもしれない。「女はおいしい料理が作れて当然だ」という態度を見ていたせいか、料理が上手に出来ないことがとてもコンプレックスだ。料理を持ち寄って集まる会など、恐ろしくて参加できない。作った料理を人に食べてもらうことは、未だにとても怖いことである。

 

 でも不思議なことに「私は料理しない」とはならない。寧ろ食を大切にし、おいしいごはんを作る人たちへの憧れがずっとある。書店でレシピ本を見るのが好きだし、SNSで料理アカウントを見るのも楽しい。おいしいものを食べると元気になるし、料理で人を満たしてあげられるのは素敵なことだなぁ、と思う。

 

 ややこしいし、ひねくれてるけど、昔より料理が好きになってる気がする。

 

 そんな訳で、今日も無理のない範囲でご飯を作る。一人だから適当でいいし。苦行にならないように、最近は一品でも作れたらよしとしている。

 

 

写真は今日の晩ご飯。ミニしらす丼と豚汁とキムチ。丼はSNSで見かけた写真を参考にした。刻み海苔がなくて、適当に千切った(雑)麹醤油を切らしていたので、お醤油をたらり。わさびを添えて。

 

 みんなはどんなご飯食べたんだろう。